平成17年度学術賞報告

平成17年度学術賞が決定いたしましたので報告します.理事長賞は学術賞規定に基づき1編を選考し,理事会にて承認されました.学術奨励賞は第30回日本超音波検査学会で発表された一般演題より選考した候補10編のうち,8編が論文として超音波検査技術に投稿されましたので学術奨励賞が確定しました.

なお,授賞式は5月14日,奈良県で開催した第31回日本超音波検査学会にて執り行いました.

<理事長賞>

前外側大腿皮弁の術前超音波検査の有用性
―カラードプラ法を用いた穿通枝の描出方法―
 米山 昌司  静岡県立静岡がんセンター
(超音波検査技術第31巻1号1~6ページ掲載)

[授賞理由]

超音波法は無侵襲で簡易に施行できることから,全身のあらゆる部位の診断への応用が検討されているが本研究も,形成外科という新しい分野での超音波技術の応用について述べた論文である.新しい評価方法を提示するにあたって,臨床的な有用性について多方面から検討されており,手術所見との詳細な比較や問題点の指摘も的確で,臨床に役立つ非常に有用な内容であると評価した.また本論文は超音波法の特性を活かし,今後さらに多方面の臨床へと超音波技術が活用される可能性を示したという観点からも本学会の理事長賞にふさわしい論文であると思われる.

<学術奨励賞>

  1. Color kinesis, 3D-echoを利用したdyssynchronyの検出
     余語 保則  小牧市民病院
  2. リンパ節転移陰性乳癌の病理学的悪性度分類における画像的特徴
     吉田 佳代  札幌ことに乳腺クリニック
  3. 慢性肝障害における脾腫と肝蛋白合成能, 血小板減少に関する検討
     吉松 英輝  大船中央病院
  4. 超音波を用いたヒラメ静脈の検査方法に関する検討
     佐々木伸子  心臓血管研究所付属病院
  5. 転移性肝腫瘍における原発巣推定の検討
     梁瀬 博文  静岡県立静岡がんセンター
  6. 閉塞性動脈硬化症における下肢血管エコーと血管造影検査との比較
     富田 文子  済生会熊本病院
  7. 頚部リンパ節転移の原発疾患による性状の違いについての検討
     井村有希子  静岡県立静岡がんセンター
  8. 乳管内病変における体位変換の有用性( 仰臥位と座位との比較)
     米山 昌司  静岡県立静岡がんセンター